小児矯正

成長時期だからできる
小児矯正

小児矯正の目的は、顎の成長を利用して、上下顎骨の良好な関係・鼻呼吸を獲得し、口腔周囲筋の不調和を改善することです。
大人になってからも矯正治療は可能ですが、顎の成長が既に止まっており、今のスペースに歯を無理やり並べなければいけません。そのため、抜歯が必要なケースも多くあります。
一方で小児矯正の場合は抜歯のリスクが減り、後戻りの原因となる口呼吸や口腔周囲筋の不調和が改善がしやすいです。大人になってからの改善は、かなり困難です。

歯並びが悪いと歯周病やむし歯の原因になりやすい

むし歯や歯周病は、日本人が歯を失う原因として特に多い病気です。どちらも口腔内環境の悪化により生じますが、その原因の一つとして考えられるのが「歯並びの悪い状態」なのです。
歯並びが悪い場合は食べ物が詰まりやすく、歯ブラシの毛先も十分に届きにくいため、磨き残しが増えてしまいます。細菌が繁殖しやすい環境となり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
矯正治療により歯並びがきれいになると、歯磨きがしやすくなり、口腔内を清潔に保ちやすくなるのです。

歯並びが悪くなる原因

歯並びが悪くなる原因は、遺伝による影響もありますが、後天的な要素のほうが大きいといわれております。例えば、前歯の裏側を舌で押したり頬杖をついたりなど、何気ない日常のクセが歯並びを悪くするのです。それによりむし歯や歯周病のリスクが高まり、発音や消化吸収の支障、猫背など全身の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。
「子どもの歯並びが悪いのは遺伝だから仕方ない」と諦めるのではなく、早くから治療に取り組むことで改善しやすくなります。

このような癖はありませんか?

  • 頬杖をつく

  • 授乳の時に頭だけ
    母親の方を向いている

  • うつぶせ寝している

  • 指しゃぶりをする

  • 爪を噛む

  • いびきや歯ぎしりをする

このまま見逃すと
歯並びが悪くなるかもしれません

治療の必要な
可能性がある歯並び

  • 受け口(反対咬合)

    横から見た時に下の歯が出ている

  • 深い噛み合わせ(過蓋咬合)

    上の歯が下の歯に覆いかぶさっている

  • 叢生(乱くい歯)

    歯がデコボコに生えている

  • 開咬(かいこう)

    奥歯は噛むけど前歯が閉じない

  • 出っ歯(上顎前突)

    横から見た時に上の歯が出ている

小児矯正治療の時期について

小児矯正は5歳ごろから始める第1期矯正治療と、13歳以降にかけて行う第2期治療に分けられます。しかし、年齢はあくまで目安です。矯正治療を始めるのに適した時期は、お子さんの成長スピードや口腔内の現状などによって異なります。
少しでもお子さんの歯並びが気になる場合は、いつでもお気軽に当院へご相談ください。

1第1期 矯正歯科治療(5歳〜12歳頃)

乳歯が存在している期間に矯正治療を始めていきます。特に、咬み合わせが悪く骨格に影響を及ぼす場合・睡眠障害がある場合などは、低年齢から始めます。顎の成長を利用でき、永久歯が並ぶために必要なスペースを確保しやすくなります。

2第2期 矯正歯科治療(13歳頃〜成人)

永久歯が生え揃う時期を目安に治療を始め、歯並びの正しくきれいな状態をめざします。矯正治療は成人も可能ですが、顎の骨が比較的軟らかい小児矯正の時期に行うほうが、体にかかる負担を少なくできます。

当院の矯正治療の種類

  • ワイヤー矯正

    ワイヤー矯正は、矯正治療のなかで最も一般的な治療法です。歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を取り付け、間にワイヤーを通します。ワイヤーから伝わる引っ張る力を利用し、歯を少しずつ動かしていきます。

  • 床矯正

    床矯正の装置にはネジが取り付けられており、少しずつ回していくことで顎を広げられます。歯並びが悪い場合はもちろん、永久歯が生えるスペースが不足している際にも使用し、歯並びの改善をめざします。

  • スケルトンタイプの固定式拡大装置

    固定式拡大装置は取り外しができないため大変そうなイメージですが、歯磨きさえきちんとできれば管理は楽です。固定式の中でもスケルトンタイプの拡大装置は、あまり痛みもなく正中口蓋縫合を拡げることができます。

  • EF line

    固定装置で本格矯正治療をする前に、歯並びやかみ合わせに関係する悪習癖を取り除き、正しい顎の発育、顔面筋の成長を促し、歯並びやかみ合わせのための環境を改善させることを目的として使用します。(予防が目的)
    正しい呼吸や嚥下を覚えることで正しい成長をしてその結果として歯並びも正しい方向に誘導されます。

  • プレオルソ

    マウスピース型の矯正装置であるプレオルソの目的は、歯並びを悪くするクセ(口腔習癖)の改善です。口呼吸や舌で前歯の裏側を押すクセなどを改善し、お口周りの筋肉を鍛える役割もあります。正しい口腔機能を獲得し、お子さんの健康をサポートする矯正装置です。

小児矯正の流れ

  1. Step01カウンセリング

    カウンセリングでは、お子さんの歯並びやお口もとの状態など、親御さんが気になっていることを中心にお伺いします。
    その上で実際に口腔内をチェックし、現在の様子や歯並びの問題などを指摘します。治療に必要な期間や費用の目安も、分かりやすくご説明いたします。ご不明点やご要望がある場合は、遠慮せずに何でもご相談ください。

  2. Step02精密検査

    歯並びや骨格の詳細を明らかにするためにも、検査ではデジタルレントゲンを使用しております。また、お顔やお口の写真撮影、歯型や顎の動き方なども一つずつ検査し、現状を精密に分析します。
    むし歯や歯周病がある場合は先に治療を行い、健康な状態を取り戻してから矯正治療を行います。

  3. Step03治療計画のご説明

    精密検査の結果をもとに、今後の治療計画を一緒に作成します。
    お口の状態や症例に適した治療法をご提案し、治療のメリットやデメリット、費用の見込みもご説明いたします。
    矯正治療に関して気になることや分からないことがある場合は、遠慮せずに何でもご相談ください。矯正治療や治療計画について、ご理解とご同意をいただいてから治療を開始いたします。

  4. Step04治療開始

    矯正治療を開始した後は定期的に通院していただき、装着した矯正装置の調整やワイヤーの交換、歯並びの変化などを確認しながら、歯を徐々に動かしていきます。
    マウスピース矯正の場合は、患者様の歯型に合わせたマウスピースを作製するために、事前に歯型の型取りが必要です。
    通院時は必要に応じて、歯のクリーニングや歯磨き指導なども行うため、むし歯や歯周病の予防と矯正治療の両立が可能です。

  5. Step05保定期間(メインテナンス)

    正しい歯並びやかみ合わせを作った後は、十分な保定期間が重要です。なぜなら矯正治療を外した後は、歯が元の位置に戻ろうとするからです。リテーナーと呼ばれる専用の保定装置を装着していただき、歯並びの安定をめざします。
    保定期間中は、約3か月~4か月に1回のペースで通院していただき、歯並びやかみ合わせなどのチェック、むし歯や歯周病の予防処置などを行います。

小児矯正の注意点

  • 第1期矯正治療に加えて、第2期矯正治療が必要になる場合もあります。
  • 一部の症例を除き、矯正治療は基本的に自費診療(保険適用外)です。
  • 矯正治療期間中は、矯正装置の見た目が気になる可能性があります。
  • 矯正装置を正しく使用しなかったり、医師の指示に従えなかったりする場合は、治療による効果を十分に得られない恐れがあります。
  • 矯正治療期間中は、むし歯のリスクが高まるため、予防には適切なケアが重要です。
  • 顎の成長を終えるまで経過観察を行うことも多く、定期的な通院を継続していただく必要もあります。

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